ここ忠烈祠(ツォンレイスー)には、国民改革、抗日戦争、中華人民共和国との戦いなど、過去に台湾が体験した厳しい戦いの中で戦死した軍人の英霊が眠っています。
1969年の建設で、約5平方kmの敷地には約35万人の御霊(みたま)が祀られています。
この場所は、日本の統治時代には護国神社があったそうです。
また巨大な本殿は、北京紫禁城の「大和殿」を模してあるそうです。
本殿の左右には展示館があり、将兵達の遺品や写真、戦いの様子などが陳列されています。
しかし、ここを訪れたらぜひ見てみたいのが「儀仗兵(ぎじょうへい)」の交代でしょう。
「儀仗兵」は、正面脇に2人、本殿脇に2人の計4人が直立し警備していますが、彼らは1時間おきに交代します。それは厳粛な雰囲気に包まれた中で粛々と執り行われます。
交代兵4人と引率兵1人の計5人の儀仗兵による行進によって、石畳の広場には「カチャッ、カチャッ」と軍靴の音が響きます。その一糸乱れぬ動きには思わず息をのんでしまいます。
また警護将兵の交代の際には、クルッ、クルッと見事な銃さばきが披露されます。
カメラ撮影はまったく自由ですが、彼らの体に触れることはもちろんですが、儀式の行われている間を横切ることも禁止されていますので注意してください。
交代の儀式が終わり新しく警護の任務に就いた将兵は、これから次の交代までの1時間の間、右下の写真にあるように一切の身動きを止め直立します。・・・驚くことに、瞬きさえもほとんどしないんですよ。
軍服の乱れや「しわ」なども、係員がまるでマネキン人形の着付けを正すようにして直し、本人は一切これに反応せず立ち続けます。
もちろんこの儀仗兵による警備と交代は、雨の日も風の日も、また炎天下の灼熱の日も関係なく毎日行われています。(観光客にとっては見逃すことはなく、ありがたい事(?)ですけどね。)
さてここで、「儀仗兵」に関連する台湾の「徴兵制度」について少し述べておきましょう。
台湾では、基本的に男性には満二十歳になると2年間の兵役の義務があります。
しかし、この兵役には台湾国民男性の誰もが就くのかというとそうではなく、実は厳しい条件があるのです。
まず体格の条件ですが、身長は175cm〜195cmまで、また体重は65kg±1kgまで・・・というものです。
だから儀仗兵の皆さんは、とてもスマートなんですね。
これに、「高校卒業以上であること」及び「この年齢になるまでに一切の犯歴がないこと」という、条件が課せられます。
しかし、この儀仗兵になるためには、こうした厳しい条件をクリアした将兵の中から、さらに人格・品格などの条件をクリアした者だけが任じられるそうです。
いわゆる「エリート中のエリート」ということになりますね
こうして2年間の兵役を満了した彼らには、退役後、大学受験時の試験点数の上積み加算(最大得点の11%まで)や職業の斡旋などの優遇措置が講じられることなっています。
中華人民共和国との緊張が続く台湾ですが、こうしたことから兵役に就くことは台湾の若者の憧れでもあり、また誇りでもあるそうです。
さて話を戻しまして、ここ「忠烈祀」への交通ですが、市内からはたくさんのバス路線(路線番号:21,42,208,213,247,267,287 忠烈祀バス停で下車)が走っています。
残念ながらMRTは通っていないので、バスが不安という人はやっぱりタクシーが便利でしょうか。 |